あたらしいコーヒーミルのこと

そうそう、モハキハをはじめてから、一ヶ月が過ぎていました。

モハキハでは、開店に先立って用意したものはほとんどありませんでした。この空間自体が、もともと手織り教室が営業してきたスペースで(四月に一周年を迎えます)、内装設備のほとんど、カウンタも水まわりもすでに用意されていたのでした。お店を開くにあたってこんな幸運はありません。もちろんカレー皿やグラス、調理器具など、カレーと喫茶のために必要なものは新たに持ち込んだのですが、「さいしょから完璧になんてできないんだから、必要だなとおもったときに用意しよう」と考えていました。

と、のんびりしていた(わけではないけど、そう見えたのかもしれない)ら、周囲の方々から「これ要る?」「かっこいいアンプがあるんだ」「もっとおいしいごはんが炊きたいでしょ?」などなどの声をいただきました。そしてモハキハには、座り心地のよいアンティークの椅子とテーブル、音とルックスのすてきなアンプとスピーカー、高性能(人工知能搭載!)で立派な炊飯器がやってきました。もちろんうれしいのはモノだけではなくて、ここにいらしていただいたお客さまとの出会いも幸福なプレゼントなのです。ほんとうですよ。

実は今週からコーヒーミルが新しくなりました。業務用のミルを置くには小さなお店なので、どうしようかなと考えて、Kalitaのナイスカットミルにしました。

ご近所の赤い実さん、札幌の森彦さん、能登の二三味さんなど、おいしいコーヒー豆がモハキハにはやってきます。それをおいしいコーヒーとしてきちんとお出しできるかどうか。そこがモハキハの領域です。コーヒー道は長く険しく奥が深く、だからこそ夢中になる。ドリップは日日勉強、飽くなき向上心。本人次第とわかってはいても、やっぱり好きなアイテムが加わると、強い味方を得たようでうれしいです。このナイスカットミル、いままで使っていたミルよりも挽きの調整が細かく、静かで、静電気が少なくて、使いやすいです。オーダーをいただいて豆を入れて挽くたびに「ナイスカットです!」とこころのなかで声援を送っています(中学校のバスケットボール部で掛けていた声援みたいに)。

モハキハのお店がオープンして一ヶ月、「いまいちばん欲しいもの」をお祝いにいただきました。カウンタの端っこがミルの定位置。開店前に準備しておいてもよかったのかもしれないけれど、お店に立つようになって時間が過ぎたからこそ、「もっとおいしいコーヒーを」「この空間に似合うものを」という気もちで迎え入れることができたんじゃないかなあとおもうのです。

この目盛りのイラストがかわいいです。