「LOVE かき氷」、ありがとうございました。

大阪が南国仕様になっていたお盆時期、夏の盛り。近所の果物店で今年初のかき氷を食べながら、かき氷の情報交換ができるイベントをやりたいなと思いつきました。モハキハも冷蔵庫を新調したから多少の氷ならキープできるし、まだ今時期ならかき氷機も手に入るし。さっそく、公私関係なくほぼ毎日出先でかき氷を食べてはかわいい写真をインスタグラムにアップしている、写真家のオキモトアキラさんとライターの杉田裕路子さんをお誘いしました。打ち合わせの段階から、止めどなく溢れ出てくるかき氷への愛情と美味しいお店情報。果ては氷の削り刃の話にまで至り、当日お召し上がりいただくかき氷の試作も順調に進み、店主もいちじくやお豆を煮ながら、ワクワクとこの日を待ちました。

だがしかし、あんなに暑い暑いと口にしていたのに、九月になったとたんにつれない雨模様。なんてこったい!

でも、ご来場いただいたお客さまは言いました。「待っていたんです、こんな大雨の日を。これなら人気のかき氷屋さんでも行列もなく食べられるんで、今日みたいな日こそ真のかき氷日和です」。さすが、かき氷マスター!


トークショーというよりワークショップのような和やかな会がはじまりました。みんなで輪になって、オキモトさんと杉田さんが作ってきてくれた「LOVE かき氷!」ZINEをガイドブックにお喋りするように、お二人の話をお聞きします。「SAVVY」などの雑誌や書籍など「おいしい」と「かわいい」をメインフィールドに活躍する写真家とライターのお2人、自らの足で探して自らの舌で味わった、関西のかき氷を巡る冒険譚には説得力があります。今回のために厳選された12店舗の12のかき氷は、取材で訪れた店あり、プライベートで食べに出かけた老舗あり、あまりの暑さに駆け込んだ街場の喫茶店あり、旅先で出合った地元民が愛す甘味処あり、幼い頃から食べ親しんだ故郷のお店あり。氷のタイプ、具のこだわり、和風洋風、店主のキャラクターなどなど、コアな視点とミーハーな嗅覚を併せ持つ2人だからこそ展開できる豊かなバリエーション。

お手製のZINEもすっごくかわいい。


お2人いわく、そのスタンスは「名も無き氷を求めて」。有名かどうかの色眼鏡はかけず(もちろん有名店や行列ができるお店も食べてはいますが)、「そこに氷の文字があったら扉を開けるだけ」とのこと。話の内容もさることながら、ポンポンッと繰り出される語彙がなんともユニーク。ああ、テレコ回しておくんだった!


トーク後には、みんなでかき氷を作って食べる時間へ。

ミニサイズの紙コップに色とりどりのマスキングテープや消しゴムハンコでかわいくデコレーション。こういう時間も大切。


この日のために用意したミルク氷は、オキモトさんのアイディア。「家庭用のかき氷でできるなら、氷に味をつけましょう」と、ほんのり甘さを感じるミルク味の氷を作りました。ハンドルを回して氷を削っていきます。


トッピングは3パターン。


「ラムシロップ&レーズン」は、ラム酒の香りがふわっと立ち上り、たっぷりと加えたきび砂糖のしっとりとした甘さが大人な味わい。



「ジャムとコンポートとフレッシュのいちじく三昧」は、和歌山産のいちじくを煮込んだ和田さんの自家製ジャムと、モハキハが赤ワインで煮たすっきりした甘さのコンポートと、フレッシュいちじくの三種類の食感を楽しんでいただけます。いちじく好きにはたまらない遊びです。



「無農薬グリーンピースでつくったずんだ餡」は、和田さんちの畑で穫れたグリーンピースときび砂糖で煮詰めた、畑の実力派。手前味噌ながら味見したときにあまりの美味しさにビックリしました。緑色もきれい。練乳を足してもなつかしい味わい。


ワイワイと3種類のかき氷をみんなで食べて、最後にあたたかいほうじ茶を。お茶っ葉は奈良に行くたびに買い足している大和茶です。

イベントの前には雨がやみましたが、それでも昼過ぎには雷鳴や大雨に見舞われた大阪。そんなお足もとの悪い日にも関わらずご来店いただいたお客さま、どうもありがとうございました。そしてこの日のために、この夏のかき氷体験を総放出してくださったオキモトさんと杉田さん、どうもありがとうございました。


あんなに暑かった夏なのに、長雨のあとにはこの町も舞台転換するのでしょうか。でももう少しだけ、わたしたちの夏はきっとつづきます。せっかく出合った2013年のかき氷、9月中はやってみようかなと思っています。そうさ、軒先に氷の文字を掲げてさ。


(※一部の写真は杉田さん、お客さまからいただきました)