金沢総合車両所とブックカフェ「あうん堂」さんへ

すこし長めのお休みをいただいていたモハキハ。いったいなにをしていたの、というと……

金沢へ出かけていました。サンダーバードは、顔の凛々しさやたくましい佇まいといい、関西から北陸に向けての豪快な飛ばしっぷりといい、「ザ・特急」と呼びたくなる特急列車です。

北陸本線の金沢よりもいくつか福井側、松任駅の北側にある「金沢総合車両所」。

一般開放する特別日ではないので中には入られませんが、塀の外から背伸びしてのぞき見ます。今年の春まで大糸線(北側の非電化路線)を走っていたキハ52という車両のうちの一台がここにいるらしいといううわさを聞き、どうしてもひと目会いたかったからです。が、外側からは見えませんでした。いたのかな、いないのかな。

その後は金沢駅へ。何度か来たことがある町なので地図を見ずに気分で歩きます。大通りから一本それた路地を好んで、わき目歩きでふらふらと。金沢はお茶もお酒もお菓子もおでんも美味しい、すてきな町。散歩目的は浅野川近くのひがし茶屋街そばにあるブックカフェ「あうん堂」さん。

こんにちはーと靴を脱いで上がると、カフェママのけいこさんが「あっ、れっ?」と気づいてくれました。二三味珈琲をいただきながらおしゃべりをしていると、古本屋店主のほんださんが二階から降りてきて「あー、あさりさんどうもどうも」と、数ヶ月ぶりとは思えない気軽なかんじで声をかけてくださいました。話の流れで国鉄時代に使われていた鉄道電話を「いる? ふたつあるよ」と勧められたり、手持ち信号やダイヤなどの鉄道アイテムを見せていただきました。おふたりにお会いするのは、5月にモハキハに寄っていただいた以来です。

あうん堂さんでは毎月11日を「ザ・といち」の日として、勝新太郎主演の座頭市映画シリーズの上映会をしています。昨年の五月にモハキハ店主が旅行中にあうん堂さんにお邪魔したときに(座頭市の世界では「草鞋を脱ぐ」といいます)、店主がかつて制作した「座頭市映画手帖」というミニブックをお見せしたのですが、それがきっかけとなって上映会を催すことになったそうです。そんなわけで、来るお客さま来るお客さまに「座頭市のあさりさん、大阪でカフェもやっているんですけどね」とご紹介いただきました。

あうん堂さんでコーヒーを二杯と、濃厚なチョコレートケーキをいただいてすっかりゆっくり時間が過ぎていきました。居心地のよい場所というのはこういうところのことだなあとあらためて感じました。カフェママが「お店をやってみると、大変なこともつらいこともあるけど、楽しいことや得られることのほうがたくさん。だからやめられない」と言っていました。あうん堂さんは店をはじめられて七年目、モハキハはまだ一年生の店ですが、その「楽しみ」はなんだかわかるような気がします。

金沢に旅するときにはぜひ「あうん堂」さんへ。わたしもまた近いうちにあそびにいきます。

【あうん堂】 http://www.aun-do.info/