旅と喫茶とカレーと日常と「本」

今週もモハキハへのご愛顧ありがとうございました。金〜土曜日の定休日と日曜日のお休み(今週9/16(日)はお休みです)をはさんで、次のモハキハ営業は9月17日(月・祝日)の予定です。よろしくどうぞ。

最近モハキハでは「ガトーショコラ」が人気です。実はモハキハのカフェメニューをパワーアップすべく、初夏から登場しました。フランスのヴァローナ社のチョコレートを使用した、しっとりと濃厚なチョコケーキ。モハキハでは少し温めて、ゆるめに立てた生クリームを添えてお出ししています。

単品では450円ですが、ホットコーヒーと一緒にご注文いただくと50円引きです。

コーヒーとガトーショコラ。そう、それは秋の午後によく似合うカップリング。そこに忙しい時を忘れさせるような一冊の本が加われば、「読書の秋」定番スタイルの出来上がりです。

モハキハでは店内の棚や机の上に、自由にお読みいただける本や雑誌をわりとたくさん置いています。主なセレクトは「旅」にまつわるもの(といいつつ、「暮らし」「猫」にまつわるものも多いです)。

モハキハはその店名の通り、店主贔屓の「鉄道旅」にまつわる本や雑誌が特に多いです。鉄道に興味がない方でも、世界の鉄道風景を収めた写真集は眺めているだけでも楽しいでしょうし、コアなところでは1970年代の鉄道専門誌「鉄道ジャーナル」などもあります。何度も通って読むなら、宮脇俊三さんの単行本『最長片道切符』や『時刻表2万キロ』をじっくり時間をかけて読み進め、その旅路を踏破するのもおすすめです。



最近のニューフェイスはこちら。

工藤裕之さんの『北海道廃止ローカル線写真集 追憶の鉄路』(北海道新聞社)。

世には「廃線ファン」という括りもありますが、意識的に廃線めぐりをしなくても、旅の途中でふと廃線跡に出合うことがあります(街の中に遺されていることもあります)。そこに敷かれていた線路を思い、人が行き交っていたホームを想像し、駅舎にまつわる物語を感じると、心がきゅっと掴まれるようなセンチメンタルな気持ちになることがあります。

宮脇俊三さんの著書『最長片道切符の旅』で見ても、北海道にはかつてたくさんの鉄道がありました。国鉄が民営化され、時代は平成に移り、いつしか路線図はごくシンプルなものに。失われる前の鉄道の記憶を、1200点ものカラー写真で留めた、とても美しい本です。駅舎、車両(北海道ではキハが大活躍!)、車窓から眺められた雪景色や短い夏の風景、たしかにそこにあった線路、そして鉄道で働く人々やその沿線で暮らしていた人々の姿。

見知らぬ土地へだけでなく、失われた時代にまで、わたしたちを連れて行ってくれる、一冊の本。コーヒーを片手に、ちょっとセンチメンタルな気持ちを心の鞄に詰め込んで、旅に出よう。

日常の流れから途中下車したモハキハで、時空の旅人になってみるのも悪くない午後です。